そして日本は赤っ恥をかく!?

tonapa2009-09-08

やってくれましたな、民主党
ようやく代表自身がマニフェストについて発言を行ったかと思えば・・・よりにもよって、Co2排出量の25%実現を目指す、などと、とんでもないファンタジーを口にしたらしい。

民主党鳩山代表は7日午後、東京都内で講演し、日本の2020年までの温室効果ガスの削減目標(中期目標)について「1990年比25%削減を目指す」と述べ、衆院選での同党の政権公約マニフェスト)通りに実行する考えを表明した。
鳩山代表が中期目標について衆院選後に明言するのは初めて。民主党の公約の「25%削減」には経済界から「省エネの進んだ日本には過大な負担。経済に悪影響を及ぼす」との反発があり、論議を呼びそうだ。


(後略・太線強調は引用者による)



数ある民主党マニフェストの中でも特にCO2排出量の下りについては、ほとんどの人が「流石にこれはリップサービスだろう」と、全く本気にしていなかった部分である。
だって、どう考えたって無理だもん。
これが中国やインドみたいな後進国なら話は別*1だけど、日本はこれでも省エネ分野じゃ割と優秀な方なんよ?
そこをさらに25%も削ろうという事は・・・脂肪の少ない痩せぎす野郎に、更なるスーパーダイエットを要求するようなもの。
これ以上、無理やり体重(=CO2排出量)を落とそうとすれば、健康(=国民生活や経済)に著しい欠く影響を及ぼしかねない。


参考までに、以下にひとつ資料を引用。
選挙前に発表された朝日の記事から抜粋。
民主党のマニュフェストに対する自民党の反論、といった内容の記事となっているが、色々と数値による試算結果が出ている点に注目されたし。

民主党は干ばつや洪水など温暖化による深刻な被害を抑えるため、世界各国の排出量から逆算し、日本が担うべき目標を決めるという考えだ。「25%減」は、温暖化の科学的知見を集める国連の「気候変動に関する政府間パネルIPCC)」が示した中期目標「先進国で25〜40%減」を参考にして定めた。


 自民党は中期目標を達成するため、「太陽光発電は現状の20倍」「新車販売の半分はエコカー」「新築住宅の8割は断熱化」と訴える。そして民主党が掲げる「25%減」を達成するには、太陽光は現状の55倍、新車の9割をエコカーに切り替え、既存のものを含めてすべての住宅の断熱化が必要だと迫り、その実現性に疑問を投げかける。

 また自民党は、民主党案だと家計負担は年36万円増え、失業率は1.3%悪化するなどと試算。民主党マニフェスト説明会では、経団連地球環境部会の猪野博行部会長(東京電力副社長)が自民党を代弁する形で言った。「(経済や家計への)影響度合いを積み上げたものがあるのか」

 自民党の試算に対し、民主党で温暖化対策をまとめる岡田克也幹事長は「脅しに近い」と反論。試算には、環境対策が経済成長につながる側面や、対策を取らなかった場合にもたらされる洪水などの被害への対策費が考慮されていない、と指摘する。


(太線強調は引用者による)



一件当たり、年36万円の負担増と、失業率1.3%悪化。
あくまで試算ではあるけど、んもう、すげぇ数字である。
こいつにパラメーターをもうひとつ、すなわち「高速道路無料化」によって発生すると考えられている、前年比約4%の排出量増加を加えて再計算したら・・・!?


しかもこのCO2削減の話は、日本Onlyの内輪ネタではなく、国際社会を巻き込んだ世界的な大問題である。
ほいほい「25%削減〜!」と安請け合い*2しておいて、後から「やっぱり無理でした」なんて言った日にゃ、赤っ恥もいいところ。


ましてや「朝ズバッ!」の時の長妻氏みたく、


「“実現する”とは言っていない。あくまで“めざす”だけ」


なんて言い訳をしたら・・・赤っ恥どころか日本という国の威信に関わる大問題になっちゃうかもよ。

*1:省エネなんて考えず、どかどかCO2を排出しているんで、その気になったらいくらでも削れる部分はある。体重150kgのデブが本気にダイエットすれば、三ヶ月もあれば120kgぐらいまで余裕で落とせちゃうのと同じ。

*2:まー、ここらへんについては、流石に鳩山も馬鹿じゃない。「主要国が積極的に参加するならば」との条件はちゃんと付けている。その点については評価すべきか。