教員免許更新制廃止の是非

tonapa2009-09-13

まぁ、マニフェスト通りの内容なんでいまさら騒ぐ程の話ではないのだけれど、こうした輿石発言が出てくると、いよいよ来たか・・・との実感はあるね。

民主党輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長兼代表代行は12日、甲府市内で記者会見し、今年4月に導入された教員免許更新制度の廃止に向け、来年の通常国会にも教育職員免許法改正案を提出する考えを示した。教員免許更新制度は安倍晋三内閣が教育再生の目玉として導入を決めたが、民主党の有力支援団体である日本教職員組合日教組)が強く廃止を求めてきた。政権交代により教育改革路線は一気に後退する公算が大きい。


輿石氏は元山梨県教組委員長で、日教組政治団体日本民主教育政治連盟」会長を務める。小沢一郎代表代行と太いパイプを持ち、「参院民主党のドン」といわれる。


 輿石氏は「教員免許更新制は変えなければならない。できるだけ早くやる方向になる」と明言、来年の通常国会での改正案提出についても「当然あり得る」と述べた。平成23年度から免許更新制を廃止することにも「間に合えばそうする」と前向きな考えを示した。


(太線強調は引用者による)



現行の教員免許更新制度は、無能教師をふるい落とすという直接効果より、警告を与えて気持ちを引き締めさせるという間接効果に重きを置いている。しかしその引き締め効果も、たとえば更新講習が約30時間もあってヌルかったり*1、役職者は更新を免除されていたりと期待通りには発揮されていない*2ようで。
さらに、いわゆるペーパーティーチャーを含む非現職教員や、非正規雇用教員らの免許更新に壁があったりと、制度それ自体の不備も幾つか指摘されている。
こうした現状に鑑みれば、更新制度の見直し・改訂は必要だろうという事になるんだけど・・・だからと言って「廃止します!」というのは、かなり違うと思うんだけどなぁ。


まぁでも、民主党輿石東の言うことだから、最初からマトモな話を期待する方が間違いなのかも知れないが。いまさら説明するまでも無いけど、輿石氏は玉石混交の民主党内にあって、石側に類される議員の最右翼。
日教組出身で旧社会党から政界に入り、「私も日教組とともに戦っていく。永遠に日教組の組合員であるという自負を持っている」「教育の政治的中立はありえない」などと豪語して憚らない、左巻き教育者の真打ちである。
もちろん福島みずほ率いる現社民党とも大の仲良し。こやつらが徒党を組んだらどういう事をするかと言えば・・・

「(政府・与党は)教員免許更新制度などとふざけたことを言うな」
5月16日、山梨県山梨市で開かれた山梨県職員組合の大会。同教組元委員長である民主党輿石東参院議員会長はこう言って、安倍晋三内閣が行った教育職員免許法改正の意義を否定してみせた。


日教組は「組合員で賛成の者はいない」(幹部)として教員免許更新制の廃止・凍結を求めている。そして日教組から選挙支援を受ける民主党マニフェストに「教員免許制度の抜本的見直し」を掲げた。民主党幹部は「『抜本的見直し』は教員免許更新制廃止を含む」と述べ、教育政策では日教組の意向を尊重する考えを示した。
同じく日教組の支持を受け、政権交代後は民主党と連立を組む社民党マニフェストに「教職員免許更新制を廃止します」と明記した。「私が見る初夢は与野党逆転し、教育基本法を元に戻し、教師の免許更新制などを廃止することです」。福島瑞穂党首は1月、ある日教組の会合でこうあいさつし、教員らから喝采(かつさい)を浴びた。
7月25日、甲府市で開かれた山梨県教組の政治団体の勉強会で、民主党小沢鋭仁国民運動委員長はこう言い切った。
「もし民主党に政権を取らせていただければ、お金はしっかりと政治が負担して、そして(教育現場に)余計な口は利かない
これでは日教組に“白紙委任状”を渡したも同然ではないか。


(太線・赤字強調は引用者による)



・・・はい、こういう人たちがこれからの日本の教育を担って行くんですよ。どんな素敵な結果になるか、とても楽しみですねぇー、はぁ。
まー、そんな訳で冒頭の通り、輿石東氏による教員免許更新制度についても、十分、予想の範囲内ということで。
別に驚きはしませんけど、この脱力感は一体何なんでしょうねぇ? ふぅ・・・

*1:日教組とかは「負担が大きすぎる」と言ってるけど、逆に言えばその時間を有効に使えば、楽に更新できるって事でしょう? 世の中、一発勝負の更新試験だってあるというのに、30時間も講習“してもらえる”というのはかなり甘いと思うよ。

*2:予備講習を受けた教員、約45,000人のうち、0.55%に当たる248人が不合格だった、という話もある。多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれだけど、とにかくこれが今のセンセの実態。