世界からナメられる鳩山政権

前述の国連ネタに限らず、どうもこの鳩山総理、外交下手と言うか・・・世界中から随分とナメられているように見えて仕方がない。
特に中国に対しては、東シナ海のガス田開発問題について「友愛の海にしたい」と言ってみたものの、向こうは抽象的な言葉で全く相手にしていないご様子。
そりゃそうだ。
海底に眠る莫大な資源は、そのまま国家運営の基盤になる。国としてのアイデンティティを前にすれば、友愛よりも国益が優先されて当然だよ。
その点において中国は、一切、妥協の姿勢を見せていないにも関わらず、鳩山首相は譲歩につぐ譲歩の連発。
やれ村山談話は継承する」だの、チベット問題は(中国の)内政の問題と理解している」だのと・・・おいおい、あんた一昨年にはダライ・ラマと会見してた*1んじゃないのかよ!?


鳩山一郎氏が提唱し、その孫が継承した「友愛」の精神。その根幹にあるものが、リバタリアニズムなのかフリーメイソン*2的互助精神なのかは知らないけど、ここまで来るともう、ちょっとした利敵行為にも見えてくる。
「価値観の違う人や国に対し、敵視ではなく、信頼醸成を図るものだ」と言えば聞こえはいいが、そんな甘っちょろい考え方で、果たして日本の国益を維持して行くことが本当に出来るのか?
同一民族で構成される韓国・北朝鮮ですら、太陽政策が大失敗しているではないか。ましてや言語も文化も体制も違っている日中間で「友愛」なる政策がうまく行こうハズもなかろうに・・・。


そうそう、鳩山政権を影で笑っているのは、何も中国ばかりじゃない。
選挙終了直後から大問題化している高速無料化について、イギリスの新聞が思いっきり皮肉っている様子。
以下、「痛いテレビ」さんからの要約引用。

休日1000円だけでも高速がアホみたいに渋滞しているのに、日本の新しい政府はこのキチガイ(lunacy)沙汰を全国に広げました。
誰がこのキチガイ行為で利益を得るのか?(Who benefits from this madness? )。
もちろん840万トンのCO2を受け取る環境ではなく、物流を止められる経済でもない。


唯一の勝者といえるのが、トヨタやホンダといった会社。
しかしそれよりも早く利益を得られるのがタイヤメーカー。
新しい総理大臣の莫大な資産はブリヂストン株によるものです(Japan’s new Prime Minister, whose vast family wealth comes courtesy of Bridgestone)。


とまあ、日本の報道より踏み込んで書いているのだ。


(太線強調は引用者による)



むむむ、こういうところをキッチリと皮肉ってくるジョンブル精神やあなどり難し。それに対して日本のマスコミは・・・鳩山家と石橋家の繋がり自体を、ほとんど報じてないよね?*3
高速無料化=タイヤ業界の商機拡大、と見るのはごく自然なこと。
実際、鳩山首相ブリジストン株を350万株持ってるらしいし、邦夫氏名義の375万株を足せば、鳩山家全体で700万株は下らない。時価総額にすればナンボよ? 120億弱ぐらい? そんだけ株を持ってて、「高速無料化の恩恵はありません」とは言えん罠。


まったくイギリス人にまで国内政策の無茶苦茶ぶりを批判された挙げ句、こんなツッコミを喰らうようでは、やっぱり首相としてはナメられているとしか思えないよ。ほんと。

*1:鳩山氏がダライ・ラマ14世をサポート - MSN産経ニュースhttp://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071123/stt0711231809004-n1.htm

*2:言わずと知れた、世界的規模を誇る秘密結社。日本人は「秘密結社」と聞くとすぐ陰謀集団的なイメージを抱くけど、その実態は名前から想像されるほど怪しいものでは無い。どちらかと言うと、存在を公にしていない会員制の紳士倶楽部といった感じやね。

*3:知ってる人は知ってる話なので、いまさら報じてないだけかも知れないけれど。